読んだ本

simobasira2005-12-19

 五十嵐太郎の『新宗教と巨大建築』*1ISBN:4061495801
 淫祀邪教の伏魔殿か、はたまた後光差す神の宮か。この本では、とかく評価の振幅が大きい*2新宗教の建築物について取り上げられています。工場のような外観を持つオウム真理教サティアンを見て生じた「宗教にとって宗教建築はもはや必要ないのか?」という疑問から始まり、天理教天理市で進められている都市計画「おやさとやかた計画」は、神殿を一周約3.5キロ!の棟で囲む城壁都市計画)、金光教大本教などの建築の解説に紙幅が割かれています。また、黒住教創価学会などその他の新興宗教の建築についても触れられています。少しだけパーフェクトリバティ教団についても書かれていますが、そのなかの高さ180メートルの大平和記念塔などは、理屈抜きで「見に行きたい!」と猛烈に思わせます。
 関連して福島の建築家、佐藤敏宏さんのホームページ内の「五十嵐太郎さんと建築あそび」
http://www5c.biglobe.ne.jp/~fullchin/igarasi/igara1/igara%20p1.htm
さながらWeb版『新宗教と巨大建築』といった趣き。リンク先の内容で関心を持たれた方は、読んで見るといいかも。

*1:講談社,2001年

*2:後者は篤信者の主観として、前者はそれ以外の者の主観として。