『虚栄の掟』
佐藤大輔『虚栄の掟』*1ISBN:4877289208。古本屋で100円で捨て売りされてたのを買う。
弱小コンピューターゲームソフト会社「クロスアート」を舞台に、狼にもウサギにもなれない男たちが、妙にもってまわった会話をしながら抜駆け、独立、裏切りをめぐってお互いの腹を探り合う*2、というお話。
奇妙な。すごく奇妙な小説。歪み、捩じれながら、支える対象もないのに突き立っている鉄骨みたいな小説、とか自分で言ってて訳が分からない感想だ。
えー、この小説への感想として「こんなんでゲーム作れるわけねえだろ」というのがありまして。*3社員たち、ゲーム内設定をひねくってるだけじゃないか。佐藤大輔自身はアド・テクノス、翔企画などの会社でボードゲームをデザインしていたようですが。巻末に参考・引用文献とともに
*なお、実名等を伏す条件で、複数のゲーム関係者の協力を受けた。感謝したい。*4
とはあるんだけど、どうも著者のボードゲームデザイナー時代の経験を軸にあまり深く取材せず執筆されているんじゃないだろうか。でもネット上の感想では「実録!業界暴露物」みたいな読まれ方をされてるんですよね。うーん。