メモ

 文春の漫画関連記事のメモ。週刊文春12月8日号掲載の「広島あいりちゃん事件 殺人犯が現場に残した「XI」のメッセージ」より一部引用。

ある漫画との奇妙な一致*1
 ところで、遺体の遺棄状況について不審な点がある。段ボール箱の封をしていた黒いビニールテープ。その封の仕方が奇妙なのだ。「何故、犯人は箱の開き口の上からそのままテープを貼らず、垂直にテープを貼ったのか。しかも雑に三重に巻いていて、二本のテープがクロスしているのも不思議です」(社会部記者)
 発見時、箱を上から見ると「X」と「I」の形が浮かんでいた。これは偶然なのだろうか。
 実は犯行の手口について、ある漫画との類似性が囁かれている。『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されている、『魔人探偵 脳噛ネウロ』(作画・松井優征)という作品である。
(中略)*2 
 現在、単行本は三巻まで出ており、合計三十八万部も出ている。この作品中に、人をさらって殺し、箱の中に詰めるという強盗殺人犯が登場するが、その名前は「X・I」(サイ)。漫画によると、“X”とは未知を表し、“I”とは不可視(インビジブル)を表すという*3

 記事はこの後、台詞の引用と福島章のコメントに続く。引用部分の前後でも事件に関して記述されているが、その他の部分は類似性に関する話題とほとんど関連がない。作品に関する文章は、記事全体の七分の一程度。引用部分は、とりあえず挟み込んでみた、という印象。事件全体の中で、また記事の中で、どういう位置づけなのか判然としない。まあ、現在(平成17年12月3日)の事件報道に接する限り、ちり紙にしかならない記事だが。
 テープがXとIに見える、という時点で眉に唾すべきだが。事件と漫画を並べて書いて、読者をある方向へ誘導する一方で記事自体は「偶然なのだろうか」、「類似性が囁かれている」と書くにとどめている*4

*1:紙面ではQ数の大きい太文字

*2:作品の紹介に関する部分なので省略する。

*3:。「広島あいりちゃん事件 殺人犯が現場に残した「XI」のメッセージ」『週刊文春』12月8日号(文藝春秋、平成17年)所収、34ー37頁。なお、記事は無記名。

*4:福島章は、一般論として「だから影響というのはあるのかもしれません。」と記事中でコメントしている。